千と千尋の神隠しの中にはたくさんの日本の伝統儀式や作法などが散りばめられています。
その中でもえんがちょというものがあります。
指で縁を作り誰かに切ってもらうというおまじないです。
このページでは、えんがちょについて、意味や効果、そして地方に寄っての違いについて説明していきます。
目次
千と千尋でえんがちょが使われるシーンとは
「えんがちょバリア」「バリア」とか聞くけど、うちんとこは「ちょんぴ」やった。
千と千尋の神隠しに出てきた日本古来の謎風習「エンガチョ」とは? – NAVER まとめ https://t.co/ozMU02OLLy— トンマニア (@tonemaniacs) April 21, 2019
映画の中でゼニーバから印鑑を盗んだ時にハクは呪いを受けてしまいました。
そしてハクの体内に千が川の神様からもらった苦団子を食べさせるとハクは黒い呪いのような虫を吐き出します。
これを千が潰した時に、
釜爺が「えんがちょ 千 せんがちょ」と言い、
千は指で円を作りそれを釜爺に切ってもらうというシーンがあります。
これには日本古来からの意味があります。
えんがちょとは何?
エンガチョは、日本における民俗風習のひとつ。主に児童の遊びとして取り入れられた風習で、ある種の穢れの感染を防ぐための特別な仕草である
引用元:Wikipedia
えんがちょは、「えん」と「ちょ」のふたつから来ています。
「えん」は縁のことで、
汚いもの、不潔なもの、災い、穢などを指していると考えられます。
「ちょ」は擬音語の「チョン」のことです。
チョンは切るという意味が含まれています。
つまり縁をちょん切るということです。
えんがちょは昔から使われてきた儀式作法のひとつであり、おまじないでもあり、生活の知恵でもあります。
いただきますなども儀式のひとつですがそういったものと考えても差し支えないと思います。
穢を避けるという考え方とは?
日本には古来から穢(けがれ)という考え方があります。
穢は神道の考え方で、語源は気枯れからきている説が有効だと言われていて、
おもに汚いものや、臭いもの、などマイナスの負の感情を作る原因となるものをさします。
穢を防ぐ作法とは
穢との縁を断ち切るのがえんがちょです。
そして穢を切るだけでなく防ぐというのも存在しています。
それが、中指と人指し指を交差させるという作法です。
これによって穢から身を守ると考えられてきました。
ルーツは13世紀にも存在した!?
13世紀ごろに作成された平治物語絵詞には、信西の生首を見に集まっている人達が人差し指と中指を交互にさせている図があるそうです。
なので穢から身を守るという考えは13世紀、鎌倉時代にはすでにあった考え方だったのです。
えんがちょの効果や意味について
えんがちょが効果あるか無いかと言えば、証拠となるものがありませんが、
日本古来から残ってきた習慣として考えれば、効果があるからこそ、時の洗礼を受けても残ってきたといえます。
つまり何かしら効果があるのでしょう。
やって損が無いのですから軽い気持ちで使ってみてはいかがでしょうか?
地方に寄って言われたが違う
穢との縁を切るという作法やまじないは日本各地にありエンガ、ビビンチョ、エンピ、などと呼ばれてているそうです。
また子どもたちの遊びではバリアーなどといって防ぐのもルーツはここにあります。
なぜ死語になったのか?
えんがちょは何故死語になってしまったのかと言うと、日本の経済の発展に鍵があります。
戦後日本は高度経済成長によって大きく発展しました。
街は姿を変えて、大きなビルや、舗装された道などばかりになりました。
そうやっていくうちに、汚いものを遠ざけるようになりました。
臭いものや、汚いもの、人の死は私達の生活から徐々に離れていきました。
そういた結果そういった穢を扱う言葉も使う機会がなくなり忘れ去られていまったのではないでしょうか?
まとめ
・えんがちょは、穢との縁を断つという意味をもった風習のこと。
・古くは13世紀鎌倉時代にはすでに存在していた。
・現在は死語になってしまっている。
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